日本最古の抹茶の効能書である栄西禅師の「喫茶養生記」

我が国のお茶の歴史
遣唐使が往来していた奈良・平安時代に、最澄(さいちょう)、空海(くうかい)などの留学僧が、唐よりお茶の種子を持ち帰ったのが、わが国のお茶の歴史の始まりとされています。
平安初期(815年)の『日本後記』には、「嵯峨天皇に大僧都(だいそうず)永忠(えいちゅう)が近江(現在の滋賀県大津市)の梵釈寺(ぼんしゃくじ)において茶を煎じて奉った」と記述されています。

鎌倉時代、日本の茶祖と言われている臨済宗の開祖である栄西が、中国・宋に渡り、天台山にこもって禅宗の修行をしました。その時、お茶についての情報も収集した結果、お茶には健康長寿の効能があることを知り、帰国後の建暦元年(1211年)、71歳の年に書き上げた書が『喫茶養生記』。これはその一節、ここでのお茶とは抹茶のことです。鎌倉幕府三大将軍の源実朝に、茶を一服進上した際、その効能書として献呈したといわれています。

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